開館20周年を迎えた茅ヶ崎市美術館では「版の美」と称し、年間の展覧会を通じて版画の魅力をお伝えしています。
シリーズ2回目となる本展は、実業家・原安三郎(はら やすさぶろう)旧蔵の小原古邨(おはら こそん)作品の展覧会です。
小原古邨写実的かつ優美な花鳥画を数多く残した日本画家(1877-1945)。その作品群は海外で高い人気を誇るものの、国内ではあまり知られていませんでした。
本展では中外産業株式会社のご協力のもと、摺および保存状態が極めて良い原コレクションの古邨作品およそ260点の中から230点を初公開し、古邨芸術の真骨頂をお伝えします。
また、同じく原コレクションの歌川広重や歌川国芳などの貴重な花鳥画も10点展示するとともに、古邨のご遺族が所蔵する祥邨、豊邨(古邨の変名)の作品も参考出品します(作品はすべて前期・後期展示替え)。
原安三郎は、現在の茅ヶ崎市美術館が位置する高砂緑地をかつて別荘地として所有していました。彼の南欧風の「松籟荘」(しょうらいそう)は茅ヶ崎の別荘文化を代表する瀟洒(しょうしゃ)な建物として知られていましたが、老朽化を理由に1984(昭和59)年解体されました。本展においては松籟荘の建築模型を展示するなど、原安三郎を紹介するコーナーを設けます。
版元・大黒屋による高度かつ精微な彫摺技術に裏打ちされた、雪月花の情感を含んだ美しい花鳥画の世界です。
伝統的な東洋絵画が持つ様式美に加え、西洋絵画的な躍動感や遠近表現が見られます。
また、正面摺やきめ出し、あてなしぼかし等、江戸時代を通じて養われた版画技術が惜しみなく投入され、唯一無二の花鳥版画のシリーズが生み出されています。
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開催期間 | 2018年9月9日(日) 〜 11月4日(日) |
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時間 | 10時~18時(入館は17時半迄) |
場所 | 茅ヶ崎市美術館 展示室1・2・3 |
料金 | 一般700円、大学生500円 |
アクセス | JR茅ヶ崎駅南口より徒歩約8分 |
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主催・協賛団体など | 公益財団法人茅ヶ崎市文化・スポーツ振興財団 |
TEL | 0467-88-1177 |
お問い合わせ先 | 茅ヶ崎市美術館 |
ウェブサイトURL | http://www.chigasaki-museum.jp/ |
備考 | 【関連催事】 |