江戸から明治へと移り変わる激動の19世紀、日本絵画の伝統を受け継ぎながら新たな表現へ挑戦した絵師たちが活躍しました。
幕末明治期の絵画は、江戸と明治(近世と近代)という時代のはざまに埋もれ、かつては等閑視されることもあった分野です。
しかし、近年の美術史では、江戸から明治へのつながりを重視するようになり、現在、幕末明治期は多士済々の絵師たちが腕を奮った時代として注目度が高まっています。本展では、幕末明治期の江戸・東京を中心に活動した異色の絵師たちを紹介し、その作品の魅力に迫ります。
天保の改革や黒船来航、流行り病、安政の大地震、倒幕運動といった混沌とした世相を物語るように、劇的で力強い描写、迫真的な表現、そして怪奇的な画風などが生まれました。また、本格的に流入する西洋美術を受容した洋風画法や伝統に新たな創意を加えた作品も描かれています。このような幕末絵画の特徴は、明治時代初期頃まで見受けられました。
社会情勢が大きく変化する現代も「激動の時代」と呼べるかもしれません。本展は、今なお新鮮な驚きや力強さが感じられる幕末明治期の作品群を特集する貴重な機会となります。激動の時代に生きた絵師たちの創造性をぜひご覧ください。
※作品保護のため、会期中展示替を行います
◆展示構成・見どころ
第1章:幕末の江戸画壇
浮世絵をはじめ、狩野派や南蘋(なんぴん)派、文人画など多彩な作品が生まれ、百花繚乱の様相をみせていた19世紀・江戸画壇。当時の江戸に於いて2大流派であった狩野派と谷文晁の一門を中心に、数多くの絵師たちが腕を競った幕末の江戸画壇の一端を紹介します。
第2章:幕末の洋風画
鎖国下の西洋絵画の情報は限られていましたが、江戸時代中期には蘭学が盛んになり、後半には舶載の銅版画や洋書が多く流入。陰影法や遠近法といった西洋画法を取り入れた様々な洋風画が日本でも制作されました。
本章では、幕末の江戸で活躍した洋風画家・安田雷洲(らいしゅう)を中心に、幕末の絵師たちの洋風画を特集します。
第3章:幕末浮世絵の世界
役者絵や美人画が中心であった浮世絵は、19世紀になると葛飾北斎や歌川広重の登場により、名所絵や花鳥画が流行。幕末には歌川国芳が、風刺の効いた戯画や斬新な構図などで新機軸を打ち出しています。浮世絵は世相を描くジャーナリスティックな側面も持ち、横浜の西洋風俗等を主題にした「横浜浮世絵」も歌川派の絵師によって多数描かれました。こうした幕末の浮世絵の豊饒な世界を展示します。
第4章:激動期の絵師
嘉永6(1853)年の黒船来航以降、江戸幕府は瓦解し、明治政府が成立するなど時代はまぐるしく変化。近代歴史画の祖・菊池容斎や血みどろ絵で知られる月岡芳年、画鬼と称された河鍋暁斎、光線画で一世を風靡した小林清親といった江戸の地で生き、東京で活躍した絵師たちは江戸絵画の伝統を引き継ぎながらも新時代の感覚を併せ持っていました。
近年再評価の進むこれら幕末明治期の絵師たちの作品と、文明開化の波押し寄せる東京を描いた開化錦絵を展覧します。
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※応募締切9/25(月)
開催期間 | 2023年10月11日(水) 〜 12月3日(日) |
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時間 | 10時~18時(金曜・土曜は20時迄) 火曜休館 ※作品保護のため、会期中展示替を行います |
場所 | サントリー美術館 |
料金 | 【当日券】 ※サントリー美術館受付、サントリー美術館公式オンラインチケット、ローソンチケット、セブンチケットにて取扱 ※前売券の販売は10/10(火)まで |
アクセス | ・都営地下鉄大江戸線「六本木駅」出口8直結 |
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主催・協賛団体など | 主 催:サントリー美術館、朝日新聞社 |
TEL | 03-3479-8600 |
お問い合わせ先 | サントリー美術館 |
ウェブサイトURL | https://www.suntory.co.jp/sma/ |
備考 | ■関連イベント■ 呈茶席(お抹茶と季節のお菓子) |