本年4月に開館20年を迎える茅ヶ崎市美術館では、「版の美-板にのせられたメッセージ」を4回のシリーズで開催します。
当館では湘南地域ゆかりの美術家の作品を主に収集・展示していますが、活動を続けていく中で
収蔵作品の大半を版画作品が占めるようになりました。
これらをテーマごとに紹介することで、幕末から現代までの版画史を系統的にとらえることを試みます。
また、秋の企画展として、当館が立地する高砂緑地に別荘を所有していた実業家・原安三郎氏の旧蔵作品により、
情緒あふれる瑞々しい木版花鳥画が欧米でも高く評価されている小原古邨の過去最大規模となる展覧会を開催、
同展も含めた4本の展覧会により、「版の美」に焦点を当てた展示を行います。
その幕開けとなる「浮世絵・新版画-幕末~昭和」では、伝統木版(※)の系統にある作品を特集します。
市内柳島の旧家・藤間家に伝わり、2017(平成29)年に当館に寄贈された浮世絵をはじめ、
明治期に活躍した小林清親とその弟子・井上安治の風景版画、また伝統木版の手法をとりつつ、
同時代の現役画家たちによる新作原画を用いて大正から昭和にかけて隆盛をみた「新版画」に携わった土屋光逸や
川瀬巴水などの作品約100点を紹介します。
高度な職人技により生みだされた浮世絵版画と、その優れた伝統に拠りながらも時代に即して誕生した
木版画の新ジャンルである「新版画」。
これらの伝統木版作品は現在もなお創られた時代の香気をはらみ、国内外を問わず多くの人々を魅了しています。
伝統木版作品を間近にご覧いただけるこの展覧会が、作品の魅力に触れる場となるとともに、
絵師(画家)や彫師、摺師がそれぞれに板に込めた思いを感じとり、
その卓越した技量を実見していただく機会となれば幸いです。
※伝統木版とは版元の注文に応じて絵師(画家)が原画を描き、その原画を彫師が版木に彫刻し、
仕上がった版木を摺師が摺りあげるという手順で仕上られる木版画。
開催期間 | 2018年4月8日(日) 〜 5月13日(日) |
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時間 | 10時~18時 |
場所 | 茅ヶ崎市美術館 |
料金 | 一般200円、大学生100円 ※高校生以下、市内在住65歳以上の方、障害者およびその介護者は無料 |
アクセス | JR茅ヶ崎駅南口より徒歩約8分 |
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主催・協賛団体など | 公益財団法人茅ヶ崎市文化・スポーツ振興財団 |
TEL | 0467-88-1177 |
お問い合わせ先 | 茅ヶ崎市美術館 |
ウェブサイトURL | http://www.chigasaki-museum.jp/ |