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コーヒー生豆に存在するカビについて

投稿日:2018年12月30日
BR02 (7 March 2020)
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1. コーヒー生豆に混じっている異物や不良豆および目視による選別・除去(ハンドソーティング)について

輸入されてくる生豆の中には、異物や不良豆が混じっていることがあり、コーヒー業界ではこれらを「欠点」と呼び、「欠点」の種類や程度について各生産国や評価機関によって定められています。

国際標準化機構 (ISO) が定めた「ISO 10490:2004 Green coffee – Defect reference chart」では、「欠点」の種類、定義、外観特徴、発生原因や「欠点」が及ぼす影響などが記されています。 「欠点」として分類される不良豆には、虫食い豆、悪臭や発酵臭を放つ豆(カビ豆、発酵豆など)、黒豆(発酵豆の一種)、未成熟豆などが該当します。

ハンドソーティングをしていると、時々「青色っぽいカビ」に侵された虫食い豆が見つかります。この「青色っぽいカビ」は、食品安全上問題として挙げられるオクラトキシンA (OTA) を産生する「アオカビ」の可能性があり、OTAは動物実験では腎毒性及び発がん性が認められているため、汚損程度にかかわらず徹底的に除去します。

CBB (Coffee Berry Borer) と呼ばれる害虫から被害を受けた生豆にはピンホール損傷があり、その孔内部は往々にして「青色っぽいカビ」で汚損されていることが多く、その特徴的な色(緑色に近い青色)を覚えておけば、簡単に視認できます。
上の画像は虫食いによると思われる不良豆です。比較的重度の損傷(左)と中度の損傷(中央、右)を受けており、それぞれの損傷部分が「青色っぽいカビ」に侵されいることが分かります。

当店の場合、ハンドソーティングは複数回実施しますが、水研ぎ後の生豆乾燥期間中は特に念入りに確認します。

2. コーヒー生豆のOTA汚染に対する当店の考え

★ 食品安全委員会が公表した「オクラトキシAの食品健康影響評価」において「食品からのオクラトキシンAの摂取が一般的な日本人の健康に悪影響を及ぼす可能性は低い」と結論付けられており、すぐに健康被害が懸念される状況ではないと思われます。
OTA は焙煎で加熱しても完全には分解されず残ることもあるといわれており、カビ、その菌類により汚染されたシルバースキン(薄皮・渋皮)、土埃、残留農薬及び異物等による汚れは焙煎前に可能な限り除去しておくべきと考えます。
★ 「OTA の体内への取り込みは、できる限り少ないに越したことはない」と考えるのは至極当然のことであり、当店は手間とコストがかかっても、より安全に、より美味しく飲んでいただくために「水研ぎ焙煎」を行っております。
生豆水研ぎの詳細:https://www.shonan-sh.jp/gokurakujicoffee/blog/生豆水研ぎの動画/

3. カビが産生するOTAについて

OTAは、ヒトにおいては腎毒性があることが疑われており、実験動物では腎毒性、腎臓がんを起こすことが実証されています。以下、OTAに関する文献資料の抜粋です。

公的機関名

抜粋内容

参照

 内閣府 食品安全委員会  2014年1月、食品安全委員会が公表した「オクラトキシAの食品健康影響評価」の評価結果の要約:

オクラトキシンAは、投与した全ての実験動物に腎毒性を示した。
各種毒性試験について検討した結果、オクラトキシンAは、DNAに間接的に作用する非遺伝毒性発がん物質であると判断し、非発がん毒性に関する耐容一日摂取量* を16 ng/kg 体重/日、発がん性に関する耐容一日摂取量を15 ng/kg 体重/日と設定した。
現状においては、オクラトキシンAの暴露量は高リスク消費者においても今回設定した耐容一日摂取量を下回っていると推定されることから、食品からのオクラトキシンAの摂取が一般的な日本人の健康に悪影響を及ぼす可能性は低いものと考えられた。
なお、オクラトキシンAの主な産生菌は、異なる生育条件では異なる種類の農作物及び食品に生育し、また、オクラトキシンAの汚染の程度は、気候等の影響を受けやすいことから、リスク管理機関において汚染状況についてのモニタリングを行うとともに、規格基準について検討することが望ましい。

* 耐容一日摂取量 (TDI: Tolerable Daily Intake)
品安全委員会の用語集(リスク評価)より: 意図的に使用されていないにもかかわらず食品中に存在する物質(重金属、かび毒等)について、ヒトが一生涯にわたって毎日摂取し続けても、健康への悪影響がないと推定される一日当たりの摂取量のこと。体重1kg当たりの物質の摂取量で示される(mg/kg体重/日)。

*1

 国際がん研究機関  IARC Monographs Volume 56 の OTAに関する評価は下記の通り。
 <評価> ヒトにおけるOTAの発がん性に関する証拠は不十分である。
      OTAの発がん性に関して動物実験では十分な証拠がある。
 <総合評価> OTAはヒトに対し発がんの可能性がある(Group 2B)。

*2

 コーデックス委員会  小麦、大麦、ライ麦を対象に5μg/kgの基準値が設定さている。 (CODEX STAN 193-1995)

*3

 EU(欧州連合)
 EU法
 EUでは、OTAの最大基準値が下記の通り設定されている。

食品

最大基準値 (μg/kg)

 焙煎したコーヒー豆および粉(水溶性コーヒーを除く)

5.0

 水溶性コーヒー(インスタントコーヒー)

10.0

*4

 ブラジル農業省  コーヒーのOTAの発生率とレベルに関し、以下、調査結果の抜粋(要点意訳):
「不良豆の存在は OTA の発生に著しく影響を与え、中でも発酵豆、虫食い豆で青みを帯びたもの、虫食い豆、黒豆、奇形豆等は OTA 汚染を増加させる一番の原因となる。」

*5

 コーデックス委員会  コーデックス委員会では、コーヒーの OTA による汚染の防止及び低減に関する実施規範 (CAC/RCP 69-2009) が定められ、「焙煎することにより OTA を著しく除去することが可能であり、焙煎工程次第では OTA を 65~100%除去可能」と記されている。

*6

 国際コーヒー機関  国際コーヒー機関の実施規範に「焙煎中に OTA は著しく減少する。」と記されている。 *7

<参照>
*1 http://www.fsc.go.jp/fsciis/evaluationDocument/print/kya200903190ks
*2 https://monographs.iarc.fr/agents-classified-by-the-iarc
     https://monographs.iarc.fr/list-of-classifications
*3 http://www.fao.org/fileadmin/user_upload/agns/pdf/CXS_193e.pdf
*4 https://eur-lex.europa.eu/LexUriServ/LexUriServ.do?uri=OJ:L:2006:364:0005:0024:EN:PDF
*5 https://www.researchgate.net/publication/267792957_Influence_of_Coffee_Processing_and_Defects_on_the_Incidence_and_Occurrence_of_Ochratoxin_A
*6 http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/sh-proxy/en/?lnk=1&url=https%253A%252F%252Fworkspace.fao.org%252Fsites%252Fcodex%252FStandards%252FCXC%2B69-2009%252FCXP_069e.pdf
*7 http://www.ico.org/documents/pscb36.pdf

 

店舗のご案内

極楽寺珈琲豆店
食品・テイクアウト

住所:鎌倉市極楽寺2-11-4
営業時間:予約がある場合: 09:30 ~ 15:30
(完全予約制につき、予約が無い場合は営業致しません。)
定休日:不定休
(2日以上の連続したお休みをいただく場合、事前に当ホームページのブログにてお知らせします。)