2025年10月19日(日)、茅ヶ崎市南西部の南湖地区にて、年に1度のお祭り「南湖みんなでやんべぇよ」が開催されます。
「やんべぇよ」は同地区で使われてきた地域の方言で「やりましょう」という呼びかけ。
その名の通り、南湖にお店を構えている方や住人の方が一丸となって実施する、地域ぐるみのお祭りです。
当日は、同地区の南北を貫く「南湖通り」の一部(南湖中央交差点以北)が車両通行止めに。
道に面したお店たちによる露店はもちろん、表に道に面した個人宅の駐車場を使用してのフリマや、お子さん向けのゲームコーナー、クラフト作家さんの出店ブースなどが通りに連なります。
ステージプログラムも近隣の高等学校吹奏楽部をはじめとする地域に根差して活動する団体、グループが出演。どこまでもアットホームな催しです。
▲フリーマーケットの様子。
▲立ち並ぶキッチンカー。
▲いつもの町並みの中に、ふらっと覗きたくなるスポットがいっぱい!
写真はすべて、昨年(2024年)撮影したものです。
法被を着て“準備万端”な人たちや、赤ちゃんを抱っこしたお母さん、子どもたち同士のグループなど、行き交う人たちは皆さん笑顔で楽しそう。本当ならボカシで隠すのは勿体ないほどです。
▲おこさまゲームコーナーも豊富。大人(私)も羨ましくなってしまいます。
「南湖みんなでやんべぇよ」は今年で13回目。コロナの影響で中止となった2020年・2021年を除き、15年前から連綿と続けられてきました。南湖通りの和菓子屋さん「御菓子処やくも」の木村さんは、立ち上げ当時から運営に携わってきた一人。
▲やくもさんは大正8年創業。お祭りの日にはお赤飯や草団子などを販売します。
かつて同エリアには「西浜サービス会」という商店会がありましたが、大型店の出店や高齢化による閉店などの影響により、参加店が7店までに減少。状況打開のため、地域を活性化し、人の流れを呼び戻そう! と企画されたのがこのお祭り。会の名前も「南湖みんなでやんべぇよ会」に改められました。
通り全体をお祭り会場にするためには、当日は車両を通行止めにして、歩行者天国にすることが不可欠。そのためには南湖エリアの自治会5団体(当時)からも協力を得て実現へとこぎつけたのだとか。2年目からは地元のキッチンカーやクラフト作家さんを招待し、3年目には有志の方から手作りのお神輿を借り受けるなど、周囲を巻き込み、携わる人も規模も成長していきました。現在は商店会にも38の事業所が加盟。年に1度のお祭りとしてすっかり定着しています。
「お神輿の担ぎ手の方も、毎年ステージでオープニングを飾ってくれる西浜高校の吹奏楽部の生徒さんも、何も言わずとも、やんべぇよを自分たちの予定に入れてくれているんです」
と、嬉しそうに語る木村さん。
「フリマも参加してくださった方が口コミで広げてくれているみたいで、毎年とても盛況です。会場を“ホコ天”にするのも、自治体の皆さんが協力してくださるからこそで、コミュニティバスもこの日だけ迂回してくれる。継続には苦労もありますが、多くの方の協力で成り立っていることが、本当に凄い事だと思っています。
おかげ様でだんだん新しいお店も増えてきているので、町の変化にも目を向けていただけたら。町に元気を取り戻したい、という思いで始まったお祭りなので、この日1日だけの事にするのではなく、この賑やかさが日常に波及していくことが理想ですね」(木村さん)
南湖通りと交差する鉄砲道沿いに2023年にオープンしたカフェ・「K’s forest」店主・増子さんは、お店を開く以前から、お祭りのメイン企画の1つ「まちなか美術館」のお手伝い中心に携わっており、お店の開店を切っ掛けに商店会にも一員として加わりました。
「まちなか美術館」は“誰でも参加できる美術館”として、南湖エリアの美術教室や中学・高校美術部のお子さんから大人まで、町の人たちから広く募集した約70点以上の作品を展示。その場で参加できる参加型のアート企画や南湖にもっと詳しくなれるクイズラリーも用意されているとか。
「美術館をはじめ、そこここに地域の皆さんの発表の場、というのが色濃く出ている点が一番の魅力かなと思います。南湖には5つの神社『南湖五社』があり、それぞれにお神輿があるのですが、お神輿ごとに、担ぎ手さんのタオルや法被が色分けされているんです。やんべぇよのお祭りでは、この5色が入り混じり、一緒にお神輿を担いでくれる。こうした景色も、他の地域からお越しの方には注目してみて欲しいですね」(増子さん)
南湖住まいではない私(記者)は、どこか懐かしい地域ぐるみのお祭りの風景が、地域の方々の努力によって令和の世にも脈々と続いているという事実にノスタルジーと未来への希望がない交ぜになったような感覚を抱きました。
そぞろ歩くだけでも楽しい、多幸感あふれる「南湖みんなでやんべぇよ祭」。ぜひお誘いあわせの上、遊びにいらしてみてください!
南湖キャラクター「なんごっぴ」。体が南湖五社の5色で彩られています。お祭りのステージで絵描き歌も披露!
【第13回 南湖みんなでやんべぇよ祭】
日程:2025年10月19日(日)、10時~15時 (会場通行止め:9時~16時半)
※まちなか美術館は10月18日(土) 13時~17時、19日(日)10時~15時
場所:南湖通り (JR「茅ケ崎」駅南口より徒歩約20分)
問合せ:南湖みんなでやんべぇよ会
IG:@yanbeeyo.nango2
Facebook:https://www.facebook.com/profile.php?id=100064714267327
イベント詳細はコチラもご覧ください
⇒【茅ヶ崎】第13回 南湖みんなでやんべぇよ祭 10/19開催!
(2025.10.18更新)