新江ノ島水族館は、1971年に旧・江の島水族館が新種として報告した「ナミダカサゴ」を、5月3日(土・祝)よりウェルカムラウンジにて展示公開しています。54年前に旧・江の島水族館で4か月間展示を行って以来、国内での展示は確認されていません。
ナミダカサゴは、1971年伊豆海洋公園地先の水深50mにて採取された個体を、旧・江の島水族館廣崎芳次2代目館長らが1973年に新種として報告しました。(模式標本は現在、神奈川県立生命の星・地球博物館に収蔵されています) 学名のargolibaは眼から銀色(argon)の涙(liva)を流す“カサゴ”という意味で、和名の「ナミダカサゴ」も同じく眼付近にある涙模様に由来しています。
旧・江の島水族館で飼育していた当時はうすい皮を脱ぐようす(脱皮)も観察され、約15日間隔で脱皮をしていた記録が残っています。この旧・江の島水族館にて報告された以降の発見記録は、ダイバーによる水中写真等での報告のみで、生体・標本入手の記録はありませんでした。
2025年4月29日(火・祝)の朝、さかなクンより館山でナミダカサゴが採集されたという連絡が入り、新江ノ島水族館に届きました。1971年の生きたナミダカサゴを見たことがあるスタッフは誰もいないので、全員が興奮しました。生体展示は54年ぶりになります。さかなクンが届けてくださった際に描いたナミダカサゴのイラストとあわせて貴重な魚をご覧ください。
★ナミダカサゴの種同定について★
ナミダカサゴによく似た形態を持つニセボロカサゴという種があります。両種の間には、中間的な形態的特徴をもつ個体が存在することも知られており、本個体についてもナミダカサゴの特徴である背びれのつくりや眼下の涙模様はあるものの、ニセボロカサゴの特徴である下顎の皮弁も見られます。今後成長尾の過程で、形態的特徴が顕著になれば、別種と判断される可能性もありますが、現時点では、本展示個体については、さかなクンをはじめ、分類の専門家からアドバイスをいただきながらナミダカサゴの特徴を持つということで、ナミダカサゴとして展示をしていきます。
今後も観察を続け、身長に調査・検討をおこなっていきます。
(新江ノ島水族館)
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時間 | 9時~17時(16時最終入館) |
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場所 | 新江ノ島水族館 |
料金 | 大人2,800円、高校生1,800円、小中学生1,300円、幼児(3歳以上)900円 |
アクセス | 小田急線「片瀬江ノ島」駅より徒歩約3分 |
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TEL | 0466-29-9960 |
お問い合わせ先 | 新江ノ島水族館 |
ウェブサイトURL | https://www.enosui.com/ |