10月18日(土)は都山流神奈川県支部主催の尺八演奏会に出演させて頂きました。
会場は横浜市南公会堂です。
今回は第55回記念演奏会とのことで、尺八二重奏曲「郷音」(水川寿也作曲・補作)、尺八合奏曲「翔」(川村泰山作曲)、尺八二重奏曲「朗」(二代石垣征山作曲)など、都山流尺八を愛好する会員の方々による記念曲が演奏されました。
箏・三絃で賛助出演した団体は7社中あり、私は師匠の率いる津下社中の一員として「群舞」(筑紫歌都子作曲)を演奏。
タイトルの「群舞」は若者が群れをなして踊るさまを表しており、変化に富んだ拍子やリズムは躍動感に溢れています。曲の中程には踊り疲れた若者たちの、一抹の寂寥感が漂うゆっくりした場面も有りますが、再び元気を取り戻して楽しく踊り出します。
一箏、二箏、三箏、十七絃、三絃、尺八というパート編成の器楽曲で、中でも曲中に時々現れる三箏が非常に特徴的です。
一箏奏者の中の一人が三箏を兼務し、楽器二面を弾き分けます。通常ではあまり使用しない超高音域の調絃のため、張り詰めた絃のキラキラした音はまるで青春の煌めきのような明るさ、華やかさを放っているように感じます。
私は三絃パートを受け持ちましたが、音の跳躍や高ツボも多く、以前からこのパートにあまり良い印象を持っていませんでした。演奏していてもメロディックに感じられず、さりとて十七絃のようにビートを刻む訳でも無く、一体どういう役回りなのかイマイチわからない・・・。
幾度か再演をしていますが、その都度適当にやり過ごすような演奏になっていました。
年齢を重ねた今、少し心持ちを変え正面から向き合ってみようと練習を励行。すると徐々に演奏のヒントが見え始めて・・・これまでとは違う心境で本番の舞台上でもこれまでに無く、楽しみながら演奏出来ました(^_^)v
尺八パートの方々も、当初は目まぐるしく変わる拍子やリズムに翻弄されて、練習もかなり苦労されたご様子。
演奏会当日、5名中2名が欠演するアクシデントに見まわれつつも、少数精鋭で結束してこの難曲を吹き切りました。苦手意識があっても熱心に練習されたことが、本番演奏に現れたように思います。
それにしても、作曲者・筑紫歌都子先生の発想力に改めて感服です!