一昨日の晩は【箱根 Casa di En 宴 Banquet】のオーナー・並木利夫さんからの依頼により、ウェルカムディナーパーティーでの箏演奏をしてきました。
お客様はポーランド人旅行者45名。
ディナータイムに「ピアノでBGMを」というようなオーダーが先方からあったようですが、【一期一会のおもてなし】を信条とする並木さんが「日本の箏の生演奏を」と逆提案されたとのこと。
昨年10月、ニューヨークのお客様のディナーパーティーで演奏したことは記憶に新しく(大鼓の人間国宝・大倉正之助先生と共演という、夢のような経験をさせて頂きました!)、今回のお声掛けも有り難くお受けしました。
さて、お電話口の並木さんは「まあ、さくらでも適当に宜しく!」と仰るだけで、細かな注文はありません。
さくら幻想曲をメイン曲に据え、その他は何がいいだろう・・・と思い巡らします。
演奏時間もどれくらいなのか定かで無く・・昨年の経験から大体の予測を立てます。
一先ず、ポーランドという国についてインターネットで調べてみることにしました。(正直に言うと、国名は知っていてもどこに位置しているのか知りませんでした。)
今、世界的に注目されているロシア・ウクライナとかなり関係が深いことがわかって来ました。
そして今現在どんな音楽が流行っているのかを調べてみます。
しかしこれは箏で再現はまず無理!と判断し、定番のポーランド民謡を調べます。
子どもの頃「さあ 楽しいポーレチケ、ポーレチケ、ポーレチケ♪」と歌った記憶があり、あれはポーランドと関係するのでは?と当たりを付けて検索すると、やはりそうでした!
そして「森へ行きましょう 娘さん ホホ~ホ♪」もポーランド民謡でした。
確か、この2曲は小中学校時代の音楽の副教材に載っていたような気が・・・。
この遠い記憶は当たりで、楽譜が見つかりました。
極々たまにこの歌集を引き出しから出して、茶色ばんだページを捲って歌ってみたりしていたのですが(もう断捨離すべきかと迷いながら)、半世紀近く保管し続けた小さな歌集たちが役立った!と思えた瞬間でした。
歌集の楽譜とユーチューブ動画を参考に、箏独奏の譜面を書いていきます。
二曲では少ないかなと思い、もう一曲「ヘイ!ヤシネック」という曲も耳コピで書き起こしました。
楽譜を書きながら、演奏の衣装はポーランドの伝統衣装の色使いに寄せて、原色ではっきりとした色柄のお着物がいいかも!と閃き、着付けの先生に相談して手持ちの着物に合う華やかな帯をお借りしました。
当日、並木さんと演奏の打ち合わせするつもりが、釜にくべる薪が湿けていた為に火力が弱く、お料理の準備に手こずっているご様子。(声を掛けづらい雰囲気)
スタッフさんたちも緊張の面持ちです。
ということで並木さんに話しかけるのは諦め、スタッフリーダーさんにそっと声を掛け、今日のパーティーの流れを聞き出します。
彼は「多分ですが・・・」と前置きしつつ「お客様が会場入りした際のウェルカム演奏と、食事がスタートしてお料理が順次提供されて暫くしたらピザが出てくるので、メインディッシュの配膳までの時間に演奏を、と言っていたと思います。ただ、今日は火がうまく行っていないので、料理を出す順番やタイミングが変わるかも・・・」
私「わかりました。臨機応変に対応します。」
観光バスが所定の駐車場に停車せず、一旦ホテルに引き返すトラブルもあったようですが19時にはお客様が到着され、六段の調でお迎えします。
一旦バックヤードに下がり、皆さんのディナータイムを眺めます。
並木さんのこだわり抜いた美味しいお食事とワイン、そして楽しい会話。皆さん満足そうな表情を浮かべています。
ワインのコルクがどんどん抜かれるのを眺めていたら、私も久しぶりに美味しい赤ワインが飲みたい気分になりました。(お水で我慢!)
20時頃にはピザ配膳の予定でしたが焼き上がっていないとのことで、演奏スタート。
まず「さくら幻想曲」、次に民謡3曲「ヘイ!ヤシネック」「踊ろう楽しいポーレチケ」「森へ行きましょう」を弾きましたら、最後には皆さん大合唱!
お酒も入ってほろ酔い気分も手伝ってのこととは思いますが、こんなに盛り上がるとは!
演奏して良かったな~と、喜びも一入です。
その後、古曲「千鳥の曲」を歌入りで演奏。お客様が聴いてもわからない日本語の歌ですが、その国ならではの曲を聴いて貰うのも悪くないかと思ったのです。
一通り演奏タイムを終えてパーティーが終わるまで外で月を眺めつつ涼んでいると、並木さんが私に賄いピザを焼いて下さいました。
今回は自分なりに【一期一会のおもてなし】を意識して実行出来たと思います。
スタッフのAちゃんとも仲良くなって自撮り(^^)
思い出に残る夜になりました。

余談ですが、Aちゃんが呟いた一言。
「日本人がみんなであんな風に歌うとしたら、何の曲ですかね?」
そう言われて私もしばし考えましたが、答えは今も見つかっていません。